平成22年4月16日施行

全国直販流通協会では以下の自主行動基準に基づいたコンプライアンス経営をするよう指導しています。

学習教材の訪問販売業界における存在意義

①  自学自習の人間形成を促す 予備校や学習塾や家庭教師と違い、家庭で使用する学習教材には、家庭で自発的に学習する習慣、いわゆる「自学自習」の習慣形成に役立つメリットがある。
主体的に人生設計ができない指示待ち族が若年層で増加しているのは、親の定めた学習環境のなかで勉学を課せられた人間の成れの果てである。
家庭学習教材には、一生ものとなる学習習慣の形成により学力をアップし、職業選択の幅を結果的に広げ児童の可能性を発揮できる人生設計を支援するものである。
学生時代だけでなく就職してからも自発的に学習を継続して絶えず自己研磨する習慣を付ける意味を持つ。

②  比較的安価な学習環境の提供 勝ち組と負け組みの二極構造が進む社会で、経済的余裕や知識の蓄積がない児童においては年間費用が100万円を超える大手予備校や名門学習塾や家庭教師にかかることはできない。
また、送迎の手間もかかる。地方部において近隣に民間学習機関のない環境下で学習する子弟においてはハンディキャップを背負っている。
そういう年間費用を半額以下に抑えることで比較的安価で学習環境の提供が可能である。

③  学習進度の遅れた児童に対する学習環境の提供 知識の習得が遅れて基礎から学び直す必要のある児童を受け入れる予備校や学習塾は限られている。家庭で使える学習教材で基礎から学ぶことで予備校や学習塾、家庭教師にかかれるレベルに学力を向上させることができる。

④  高度な学習レベルの習得を目指す児童に学習環境を提供する 予備校や学習塾はマス対象から個別指導へと方向転換しており、大手予備校や有名学習塾が出来る児童を特待生として取り込みなど囲い込むなかでも、無償の塾より家庭での自学自習を選択する優秀な児童が増加している。
通学時間や対人関係の負担なく時間やペースの束縛がなく自宅で教材やCDによる学習を求める学習進度が高い児童に適した学習環境の提供を家庭学習教材は行える。

受験を控えた児童にとって、学習教材はぜいたく品ではなく緊急に学力アップをなすための必需品である。
学力の劣る児童から優秀な児童まで幅広くカバーしてきたのが家庭学習教材で将来の日本を担う多くの人材を育成している。
教材のよさを説明する有効な手法が訪問販売であることから、当家庭学習協議会はコンプライアンス意識の高い販売業者が集まり、家庭学習教材業界の健全な発展により学習資質を備えた全国の児童が家庭学習の習慣を形成できるよう貢献するものである。
社会的存在価値の大きい業界だけに、当協議会は倫理的にも法律的にも高いレベルの勧誘活動を実施する必要があり、以下の自主行動基準を定めて会員企業の資質向上の規範とするものである。

(目的)
第1条
 本基準は、「事業者と消費者との間には情報の質、量及び交渉力の格差が常に存する」という現実を踏まえ、訪問販売取引を公正にし、消費者とのトラブルの未然防止を図ることで、社会に受け入れられる企業として健全に発展するための行動基準として定めたものである。

(適用範囲)
第2条
 本基準は、一般社団法人 全国直販流通協会の家庭学習協議会の会員にあって、商品若しくは権利の販売又は役務の提供を訪問販売の方式により業として営む者(以下「会員等」という)の活動に適用する。

(取引行為において、必要最低限の順守事項)
第3条
 消費者へ配布する資料(テストの結果や合格実績など)については、一部の利用者のみを母体として調査したものではなく、それが大多数を代表するものと判断しうる統計的に客観性が確保されたものを用意しておくこと。
事実に反して他社又は他社商品等を誹謗するような言動はしない。納得の上での契約となるよう、無理な押し付け行為はしない。
別に定めた細則に抵触しないように販売活動を行う。消費者本位の考え方に立ち、その消費者の知識、経験及び財産の状況等に考慮し、常にその消費者に応じた対応を取るように努めるものとする。
 特に以下の点には留意するものとする。

(取扱商品、役務の範囲と規定について)
第4条
 その消費者に対する販売履歴を確認し、不要又は、過量な販売を行わない。
※訪販協過量販売ガイドラインに則る

第5条
 当該契約者の判断力不足を認識しながら、それに乗じた販売を行わないこと。

(訪問前の電話等でのアポイント)
第6条
 会社名・商品等の種類と訪問の主たる目的、学習教材の販売であることを消費者に明確に伝え、勧誘活動をはじめる。

(取扱商品の説明)
第7条
 1.常に消費者の理解度を確認しながら説明をするよう努めるものとする。
 2.クーリング・オフについては必ず告知する。
 3.商品購入の勧誘をする場合には、内容や価格等について正しく情報提供をする。

(契約締結の実務)
第8条
 1.明らかに判断力が不足しているとは認識できないが、判断力不足の懸念のある消費者と契約を締結する際には、十分な判断力を備えた親族等の立ち会いを求めるものとする。
 2.消費者が契約の意思決定をしたときに、契約対象の商品等、その契約代金総額、支払方法について理解しているかを改めて確認するよう努めるものとする。
 3.契約書面及びクレジット書面の契約者氏名欄は契約者本人の自署とする。
 4.契約書面及びクレジット書面には記入洩れがないように細心の注意を払う。
  5.契約書面及びクレジット書面は直接見えるような形で交付し、よく読むように促す。

(契約履行)
第9条
 1.納品、契約、商品使用などの契約書に定めた内容を確実に履行する。
 2.商品等についての質問などには誠意を持って対応する。

(契約後の対応)
第10条
 1.会員等は、消費者相談窓口を配置する。
 2.商品等への問合せや、契約内容に関する問合せには、消費者の立場に立って丁寧に応対する。

(クーリング・オフへの対応 法定のクーリング・オフ要件を満たす場合)
第11条
 1.クーリング・オフに関しては妨害行為、拒否行為と受け取られることのないように、言動には十分注意する。
  2.電話等(口頭)でクーリング・オフの申出がなされた場合。
   2-a.後日紛争とならないように電話での申出記録を確実に残した上で手続きを取るか
   2-b.期間内に書面を発信するよう求めるものとする
   (bの場合、届いた書面の発信日が期間外であっても、電話での申出日がクーリング・オフ可能な期間内であったと客観的に認められる場合にはクーリング・オフとして処理する。)

(解約希望の申出への対応 クーリング・オフ期間経過後あるいは法定クーリングオフが適用されない取引の場合)
第12条
 1.「解約は一切できない」との回答で門前払いすることなく、消費者の申出内容を真摯に聞き取る。
  2.聞き取りした申出内容が解約には応じられない内容であることが明らかな場合、解約できない理由を、誠意を持って説明する。
  3.基本的には申出内容の事実確認をし、その調査結果を踏まえた上で適切に処理する。
  4.申出の中で本基準に抵触する行為が明らかになった場合には、特に迅速かつ適切な対応を取るものとする。
  5.解約可否の判断や、解約する場合の損料については、あくまでも当該事例にそって個々の対応とするが、各社がその基準となるものを用意し、透明性の確保に努めるものとする。

(義務事項について)
第13条
  ① 勧誘に先立って、勧誘目的を告げられていなかったと消費者から指摘されるような訪問の仕方をしない。
  ② 教材等の販売を伏せたまま、家庭教師や電話学習相談等の役務提供が主であるように伝えることをしない。
  ③ 会社としては実現できない指導やフォローなどについて販売員が口約束することをしない。
  ④ 本来ないにもかかわらず、何らかのサービスが付帯しているかのような説明をしない。
  ⑤ 教科書完全準拠版ではないにもかかわらず、すべてが教科書に一致しているような説明をしない。
  ⑥ テスト等で具体的な得点を挙げて実現することが難しい成績の向上を約束したり、「必ず合格します」と約束したりすることをしない。
  ⑦ 在学中または通学予定の学校や、地方公共団体に関連する機関からの訪問と思わせる説明をしない。
  ⑧ 事実に反して公的機関や著名人が関与した教材であると騙ることをしない。
  ⑨ セットとして一定の量を契約しなければならない等として購入量を決めてしまうことをしない。

(その他の遵守すべき事項について)
第14条
 ① 商品価格の開示 契約の際に、商品価格は申込書面への明記のほか、消費者が容易に知りうる状況にし、常に開示した環境を整えることとする。表示の際は最小単位ごとに明記する努力することとする。
  ② 訪問時間について 夕方5時以降の訪問の際は、必ず事前に消費者の許可を受けるか消費者の意向にあわせた訪問時間を設定すること。長時間勧誘を避けるよう努める。
  ③ 再勧誘の禁止について 拒否をした消費者に対しては、継続的に勧誘しないようにする。

本自主行動基準は理事会の承認を受けたうえで2010年4月16日から実施することとする。

全国流通直販協会は、ネットワークビジネス、宣伝講習販売、電話勧誘販売、戸別訪販などの販売会社を対象に81年に発足しました。
特定商品取引法や薬機法のコンプライアンス教育を行ったり、クーリングオフ制度や中途解約の相談に応じることで、
サプリメントや化粧品など健康商材、美容商材を扱うダイレクト・セリング業界の育成を続けています。